今日は、ブログ開設のご挨拶と自己紹介を兼ねて、フリーランス歴20年の私が、これまでの歩みと現在をお話していこうと思います。
昨今私のような士業を問わず、副業や独立をしてみたいと思う人たちが増えてきました。そこで、今回は公認会計士特有の事情にとらわれず、独立したら、
- 幸せになれたのか
- 生活はどう変わったのか
- 仕事はどうなったのか
- お金は稼げているのか
- フリーランスをおすすめする理由
- フリーランスの辛いところ
- これからどう生きたいか
について感じたことを順にお話していきます。
どうぞ、最後までお読みください。
目次
1. フリーランスになって幸せか
もちろん幸せです。当然のことながらずっと順風満帆で来たわけではなく、山あり谷ありだったわけですが、それでも幸せと感じられる理由があるので、以下順に説明していきます。
1-1. 他人の指図を聞かなくてもよくなった
フリーランスになったとたん、部下も上司もいなくなり、誰も私に指示を出す人がいなくなったので他人の指図は聞きたくても聞けません。
でも他人の指図を聞かなくてもよくなったことが、私にとって一番の幸せといえるのではないでしょうか。
子供の頃から相手が誰であれ、内容がどうであれ、ああせい、こうせいと言われるのがたまらなくストレスでした。
指示待ち族といわれる人たちとは真逆の私が気持ちよく生きるために、フリーランスになることは運命だったのではないかといえます。
1-2. 困難に遭っても自分の選択の結果なので納得できる
何事もそうですが、いいことばかりは続かず、必ずピンチが来ます。
でもピンチを招いた決断をしたのは他でもない私。
誰のせいにも出来ませんよね。
おかげで、失敗やピンチの後はすぐに現状を受け入れ、どうしたら立ち直れるかを考えられるようになりました。
他人の下した決断によって招いた失敗だったら、きっと言い訳と責任回避が先に立っていたでしょう。
フリーランスになってからは、こんな無駄な時間から解放されました。
1-3. 仕事の進め方を基本ゼロから自分で決められるようになった
誰も指図しない、マニュアルもない世界に来ましたから、仕事のやり方はフリーハンドで自分が決めていくことになります。
スケジュール調整、仕事の手順、誰と会うか等々一つの仕事を完結させるにはいろんな段取りがあって結構骨が折れます。
でも、お仕着せでない仕事って手作り感があって楽しいんですよね。
似たような仕事であっても、それぞれやり方は微妙に違っていて一つとして同じものはありませんから。
1-4. 嫌いな人と仕事をしなくてよくなった
組織で働く以上避けて通れない問題がこれですね。
フリーランスになったからといって、完全に嫌いな人を排除できるわけではありません。
でも、少なくとも嫌いな人とはいつでも「お別れ」できると思うだけで精神衛生上どんなに素晴らしいか。
現に私もたくさんの嫌いな人たちとお別れしてきました。
それによって仕事をなくしたこともありましたが、まずは精神の健康を優先させたわけです。
1-5. 居心地のいい環境で仕事ができるようになった
いつも絶対というわけではありませんが、基本どこで仕事をするかは自分で決められます。
私は繊細さんなので、自分のお気に入りの空間じゃないと仕事に没頭することができません。
特に周囲に人がいる空間が苦手なので、基本自分の書斎をメインの仕事場にして、やむを得ず外で仕事をする場合には、個室のワークスペースを借りています。
1-6. 平日日中に私用を足せるようになった
平日日中仕事のちょっとした合間に散髪や買い物に行けるできるありがたみは一度知ったらやめられません。
勤めていた時は、平日に銀行や役所にどうやって行くか、時間のやりくりに随分苦労させられたものでした。
仕事に煮詰まった時には、ちょっと長めの休憩を取って、散歩したりカフェに行ってゆっくりお茶を飲んだりしています。
1-7. 自分の好きな仕事道具を使えるようになった
ガジェット好きな私としては、仕事道具もお気に入りのものを揃えたくなります。
PC、モニターやキーボードのほか、携帯電話やタブレット、カバンに万年筆にペンケース等々数え上げると切りがありません。
会社勤務時代は大体のものが支給品で同僚と同じものなので、全く仕事のテンションが上がりませんでした。
やっぱり愛着のあるこだわりの一品に囲まれて仕事した方が、仕事も楽しく積極的にやろうという気になりますよね。
2. フリーランス公認会計士の生活
多くの公認会計士がそうするように、私も公認会計士試験合格後に監査法人(公認会計士が集まって監査業務その他を行う会社のような組織です)に入社して数年を過ごしました。
その後コンサルティング会社に転職しましたが、監査法人時代に続いて、一般の会社員の人と同じいわゆるサラリーマン生活を送っていました。
それが、フリーランスになった後どう変わったのか説明していきます。
2-1. 毎日毎日が違う1日
仕事の内容が毎回違う場合はもちろんのこと、パターン化された仕事でも、その他の仕事との組み合わせが日によって異なったりします。
結果1日を通して見れば完全に同じ仕事をしていたという日はほとんどありません。
私用もちょくちょく入れているので、1日の過ごし方のバリエーションは無限にあるといっていいくらいです。
ある程度生活パターンが一定していたサラリーマン時代に比べ、毎日が違うのでスケジュールの綿密な管理は必須になりました。
2-2. 家にいる時間が増えた
フリーランスになった当初は、外部に事務所を借りてそこで執務をしていました。
ただ、あまりにも仕事の場所の制約がないため、だんだん事務所からは足が遠のき、気が付けば何でも手を伸ばせば届く距離にある自宅の書斎がメインの仕事場になってしまいました。
さらに昨今のコロナ禍でテレワークが進んだことにより、クライアントによっては書斎での仕事で完結してしまう所まで出てきました。
当然のごとく在宅時間が増えて、日によっては1日中籠っているので運動不足気味なのは否めません。
2-3. 休みが土日祝日とは限らなくなった
個人の看板で仕事をしているので、基本スケジュールの空きがない場合を除き、依頼のあった仕事は断りません。
土日祝日も稼働日にカウントしているので、仕事の期日によっては平日と同様に働いてしまいます。
そのかわり、仕事が空いているときは平日でも思い切って休日にして、土日や祝日に混んでいて、なかなか行けないスポットや買い物に出かけたりします。
2-4. オンとオフの区別が曖昧になった
土日祝日と平日の区別がなくなったことに加え、1日の中でも仕事の時間とプライベートな時間が入り乱れて、家族からは「パパは何をしているんだかわからない」といわれることが多くなりました。
今日はオフのつもりでいたけれども、ちょっと仕事の資料を見始めたら仕事モードに入ってしまった。
逆に朝からみっちり仕事モードだったけども、半日でやる気がなくなって午後からゲームをしてしまった。
こういったことが頻繁に起こるので、オンとオフをきれいに切り分けるのはなかなか難しいです。
2-5. 家族と過ごす時間が増えた
家で過ごす時間が増えたので、必然的に家族と過ごす時間も増えました。
特に夕方以降子供たちが学校から帰宅し、妻が仕事から帰ってきた後のコミュニケーションの時間が増えました。
ほとんど毎日家族と夕食を一緒に取れるので、妻や子供たちと会話しない日はありません。
我が家の最近のイベントや話題、心配事、子供たちの関心などは一通り知ったつもりでおります。
2-6. 家事の週末集中を緩和することができるようになった
我が家は共働きなので、家事も適当に分担していました。
しかし、私がサラリーマンだった時代には食事や洗濯を除き、家事の大半は夜間や週末に集中していました。
フリーランスになって在宅が増えてからは、ちょっとした掃除、洗濯、買い物や家族の用事は平日日中私がやれるようになりました。
それでもまだ週末に、しかも妻に負担が偏っているので、もう少し平日に私が頑張らないといけないかもしれません。
2-7. 就寝・起床時間が一定でなくなった
一応平日は毎日6時半に起床するようにしています。
しかし、これも子供たちの登校の時間に合わせて一旦起床しているに過ぎず、前の晩遅くまで仕事をしていたりすると、どうしても二度寝してしまいます。
これでは実質一定に保たれていないのと同じですね。
起床時間は前の晩の就寝時間に左右されます。
就寝時間はどうしても仕事の状況に左右されてしまい、仕事にかかる時間は個別にみな違って一律ではありません。
就寝時間・起床時間がまちまちなのはどうしようもないことなのかもしれません。
3. フリーランス公認会計士の仕事
公認会計士に限らず、独立を考える場合、独立後継続的に仕事が取れて生活が安定するかが一番の関心事だと思います。
さらに今後やりたい仕事や将来の理想像等を考え合わせて、ある程度行けそうだという感覚を持った時に独立するのが普通ではないでしょうか。
ところが、私の場合、サラリーマン生活が嫌で嫌で仕方がないというだけの理由で独立してしまったために、事前に考えておくべきことが全て後回しになってしまいました。
おかげで独立当初は苦労しましたが、そんな私でも挫折することなく20年以上何とかやってくることができました。
ここではその理由を説明していきます。
3-1. 当時の世の中のニーズにピッタリ当てはまった
ITバブル崩壊の余波がようやく収まり、日本経済が上向き出した時代でした。
企業活動の活発化に伴い、粉飾決算や不正が横行しだし、これに対応するために会計基準が頻繁に改正されていました。
人材市場では新しい会計に明るい公認会計士が求められ、当時大手の監査法人出身者は引く手数多だったようです。
今振り返ってみると、私自身がこの条件に知らず知らずのうちにピタリと当てはまったようで、飛び込んでみたら周囲に持ちあげられるように浮かび上がったというのが実情のようです。
もちろん、世間に認知されて実際に仕事のオファーを受けるまでは、半年以上かかりましたが。
3-2. サラリーマン時代に身に着けたスキルが即役立つ時代だった
アメリカで起こった大きな会計不正を受けて、新たに導入された内部統制(※)監査制度に私が制度化前からある程度通じていて、実務もこなせたという理由もあります。
所属していたコンサルティング会社では、意図せず内部統制の導入と運用に関する営業とサービス展開に携わっており、この経験が活きました。
おかげで独立直後から4年程商売繁盛。
一生これで食っていけるのではないかと錯覚するほどになるのですが、案の定、そうは問屋が卸しませんでした。
※会社の内部管理に関する仕組みのことですが、ここでは詳細は省きます。
3-3. 所属していた監査法人からの仕事の紹介があった
フリーランスになったとは言え、以前の勤務先とは良好な関係を続けており、先方も私の人となりを知っていて安心感があったからでしょうか、頻繁にお仕事の紹介をいただきました。
この関係はかなり長く続いていて、今でも時々お仕事をご紹介いただくことがあります。
転職するとき、あるいは独立して会社を辞めるとき、後足で砂をかけて出ていく人の話を聞くことがあります。
その時は気持ちがすっきりするでしょうが、長期的に見たら本当に損な話です。
3-4. 面倒見のよい先輩独立会計士がいた
後先考えずに独立した私ですが、独立する前に相談した先輩がいました。
勤務していた監査法人の先輩で、当時すでに独立されて8年程経っていたでしょうか。
フリーランスになった後も何くれとなく面倒を見ていただき、特に弱点だった税務分野に関しては、ご自身の事務所で私をパートとして雇いながら面倒を見ていただきました。
今でもその先輩が設立した監査法人で、非常勤としてお手伝いさせていただいているほか、独立の案件でも機会があれば声をかけていただいています。
これまでの人生で足を向けて寝られない人はさほど多くありませんが、この先輩には返しきれない恩をいただき、一生頭が上がらないと思います。
3-5. 丁寧に仕事をしたら、次の仕事につながった
いただいた仕事はできる限り全力投球でやりました。
今は力加減がわかってきたので、省力化のために常に全力投球はしませんが、例外なく丁寧に仕事を進めていくことを心がけています。
紹介の仕事が多いので、独立当初は紹介者にご迷惑を掛けないようにするのが精一杯でしたが、幸いにして継続して案件をいただけるケースが複数ありました。
しっかりやっていれば、見ている人は見ているのだなと思う反面、もしどこかで手を抜いていたらそれも見られて信用を失うんだろうなと想像がつきます。
3-6. クライアントのポートフォリオを意識した
独立して4年程、仕事の大きな割合をほぼ同じクライアントとそのグループからいただいていたのですが、突然先方の予算が削減され、仕事も一気になくなってしまいました。
この時失った仕事は全体の6割強、これで完全に懲りました。
それ以来、大きな仕事をいただけるグループは最低でも3つ以上キープすることを心がけるようになりました。
どこかで仕事をロスしても、別の仕事でカバーすることができるというわけです。
3-7. 思い切って税務はやめた
「会計事務所たるもの税務をやらずして何とする!」と独立当初は意気込んで税理士登録もして、税務のクライアントも獲得していきました。
でも、私は一人で仕事をするフリーランス。
いただける報酬に対して、私が直接手を動かしてしまうとすごく時間単価が下がってしまいます。
それに税法は毎年改正されてキャッチアップがすごく大変だし、申告を間違うと最悪損失を補填しなければいけないこともあります。
このように手間がかかる割に稼ぎが低くてリスクが高い税務、フリーランスにはそぐわないと判断して、独立して8年で撤退しました。
4. フリーランス公認会計士のお金
先にも書いたように、私は独立するに際して必要な算段を何もせずに独立してしまったために、当然独立資金など貯めていませんでした。
しかし、事務所を借りたり事務用品を一通りそろえたりでそれなりの独立資金がかかり、当初は本当に金欠状態でした。
あれから20年経った今は、都内の1戸建ての持ち家に住み、車を持ち、子供を育てています。
特に豊かというほどではありませんが、不自由なく普通に生活していけるだけの経済状態になることができました。
こんな私の懐事情について説明していきます。
4-1. 共働きはかなり楽
私がフリーランスになれたのは、半分くらい妻のおかげです。
もし彼女が専業主婦だったらと思うと、一番苦しかった半年前後でまた会社勤めに戻っていたかもしれません。
実際に彼女の収入に頼ったわけではありません。
ただ、いざとなれば一時的にでも頼れるという安心感がフリーランスに踏みとどまらせてくれたのは事実です。
現在も彼女は働いていて、私と彼女の収入、それに相続で得た土地にマンションを建てて経営しているので不動産収入があります。
仮に私が働けなくなったとしても、残り2本の収入があるので何とかなる、という安心感はとてつもなく大きな支えになっています。
4-2. 天引きで貯蓄する
フリーランスは一寸先は闇です。
明日病気や怪我で働けなくなるかもしれませんし、不況で仕事が激減するかもしれません。
退職金もないので、老後の資金についても早くから手当しておくことが必要です。
売上が多い時は、気分も大きくなって浪費してしまいがちですが、あるだけ使ってしまわないように、天引きで私はあちこちに資金をプールして簡単には手を付けられないようにしてあります。
収入から私的年金や小規模企業共済の積立て、積立NISAやiDeCoなど全て差し引いた残額から生活費と教育費、ローン返済額を差し引いた残額が小遣いになります。
月によってはマイナスで小遣いゼロの時もあります。
4-3. 参加する飲み会は吟味
小遣いゼロの月は、業務上どうしても必要な飲み会を除いては、基本行きません。
しかし、小遣いがある月でも出席する飲み会はよく吟味して決めています。
それは余裕資金があったら、できるだけ自己投資に使いたいと思っているからです。
書籍や有料動画は単品だと大した金額ではありません。
でも、例えばある分野について集中的に学びたいとき、複数冊の専門書、有料のセミナー参加費用などを合わせると全部で10万円単位でかかる場合があるのでバカにできません。
学びのための資金確保の優先度を上げればいいのですが、子供の教育費やローンの支払いが重い現在なかなか難しいので、飲み会を削っているわけです。
4-4. ゴルフはなるべくやらない
私はゴルフをやりません。
別に嫌いなわけではなく、これまでやりたいと思わなかったのとやらざるを得ない状況に追い込まれたことがなかったためです。
この年齢になっても周りから勧められますが、今後もやるつもりはありません。
理由のひとつはすぐ前に書いた自己投資の軍資金を確保するため。
もう一つは、場合によっては仕事を圧迫しかねないと思ったからです。
同業のフリーランスのゴルフ好きは、比較的空いている平日にゴルフをしている人が多いです。
空いていて多少安いかもしれない平日ですが、仕事していればもっと稼げていたはずで、機会損失を含めるとかなり高いゴルフになるはずです。
それに私は好きになったら熱中するタイプなので、高いセットを買って平日ゴルフをやりかねない、それが恐ろしいのです。
4-5. 車は頻繁に買い替えない
東京都内に住んでいるので、日常的に車を使う必要がなく、私個人としては不要だと思っています。
妻の希望で1台保有していますが、車齢がすでに17年のボロ車です。
だからといって、私は車が嫌いなわけではなく、学生時代は短期間で車を乗り換え、走り屋のように夜な夜な首都高速や峠道のドライブを楽しんでいました。
でも都内に住んでいたら、通勤にでも使わない限り、車は耐久消費財本来の役目を果たすことなく、駐車場の置き石同然です。
しかもただそこにあるだけで税金や保険各種の経費が出ていく金食い虫です。
それでも愛車の姿を愛でたい人はそれでいいのかもしれませんが、我が家にはそんな余裕はありません。
買い替えはせず、今乗っている車が壊れたら新たに購入することはないと思います。
4-6. 趣味、嗜好品はケチらない
ここまで書いてくると、なんだか節制ばかりだなと感じられると思います。
ただ、先にも書いた通り、収入から一通り必要額を差し引いた残りは全部お小遣いです。
月により凹凸がありますが、飲みにもゴルフにも行かなければ、平均するとそこそこな額になるので、贅沢に使います。
趣味や嗜好品については値段を考えず、欲しいものを買うことにしています。
欲しいと思ったものをあれこれ悩まず、ぱっと買っちゃう。
これって本当に気持ちいいんですよね。
ルールの範囲内での散財なら、精神衛生の面からも全く問題なしです。
5. フリーランスがおすすめな理由3選
ここまで主に、フリーランス公認会計士である私の生活や仕事などを中心に説明してきました。
ここでは今後フリーランスになろうと考えている人に、「だからフリーランスはおすすめだよ」といえるポイントを3つに絞って説明していきます。
5-1. 何をやっても自由
誰もあなたに指示したり、命令する人はいないし、従うべき組織のルールもありません。
全てあなたがフリーハンドで描いていいし、他人に迷惑をかけない限り何をやってもいいんです。
始めるのも自由だし、やめるのも自由です。
こういわれて戸惑ってしまうのではなく、やってみたいことが思い浮かんだり、なってみたい将来の理想像が描ける人には、フリーランスはおすすめです。
5-2. いつまでも仕事ができる
フリーランスに定年はありません。
これ以上働けないと思った時がやめ時なのですが、このタイミングは自分の意思で自由に決めることができます。
働く意欲があれば、いつまでも仕事を続けることができますし、学び続ける姿勢がある限り、いくつになっても成長し続けることができます。
誰かに自分のキャリアプランを決められたくない、会社で定年になっても現役でバリバリ働き続けたい、という人にフリーランスはおすすめです。
5-3. ピンチはチャンス
誰しも常に順風満帆というわけには行きません。
必ずピンチがやってきます。
ピンチが来た時に「自分は不運だ」と嘆くのではなく、「これは自分に与えられた試練だ。必ず乗り越えられる」と前向きにとらえられるかはフリーランスの資質として非常に重要です。
私の場合もそうでしたが、ピンチを乗り越えた後には、たいていチャンスが待っていました。
これを信じて頑張ることができるタフな精神の持ち主に、フリーランスはおすすめです。
6. フリーランスの辛いところ
次はフリーランスになってみて感じた、逃れられないつらい点を3つ紹介していきます。
6-1. 収入が不安定
固定客が付いて比較的収入が安定している時期も確かにあるのですが、それは長くて2、3年のスパンで見た場合のこと。
より長期の目線で見た場合、収入はなかなか安定しません。
フリーランスの場合、多数の顧客に一度に対応できないため、それなりの規模のポートフォリオを作れないことに原因があると思います。
先にも述べましたが、私も大口のクライアントグループは維持できてせいぜい4つか5つで、そのどこからも仕事が常に来ているという状態にはなかなか持っていけません。
右肩上がりで顧客を増やすには、こちら側も規模を拡大する必要がありますが、それではすでにフリーランスとは言えなくなりますよね。
6-2. 何があっても自己責任
組織に所属していれば、何か問題が起こった時にはまず組織が矢面に立ってくれます。
しかしフリーランスの場合、社会と私たちを隔てる壁が何もないため、問題が起これば直接私たちに問題解決と責任が問われます。
これは本当に怖いことで、単にコンプライアンス意識が高いだけでは防ぎきれない問題です。
私の知っているだけでも、手が後ろに回ることはなかったにしろ、訴訟によって多額の賠償金を支払ったケース、最悪の場合破産してしまったケースがありました。
命までは取られないにしろ、いつ不測の事態に巻き込まれるかもしれないという覚悟をしっかり持って行動しなければなりませんね。
6-3. 身体を壊したら全部崩壊
健康は全ての根本で、これが壊れたら万事うまく行かなくなるのは何を職業にしていても同じです。
サラリーマンの場合、病気をしても一定期間は傷病手当が支払われ、退職させられることはないため、すぐに生活が影響を受けることはありません。
しかしフリーランスの場合、仕事ができなくなったら即座に収入が止まり、貯蓄がなければその日から生活に困ることになります。
どんなに仕事が順調で、あなたが顧客にとって貴重な存在であってもそれは変わりません。
先にも書いたように、私も経済的にあらゆるリスクに備えているつもりです。
しかし、予想を超えるような重度の病気や長期の療養に無制限に対応できるものではありません。
普段から健康に気を使い、できる限りの健康維持を図っていくのはもちろん、万一健康を害しても、ある程度の期間は経済的に持ちこたえることができるように備えておくのは最低限の努めでしょう。
7. これからどう生きたいか
振り返ってみると、これまでのフリーランス人生は概ね思った通りに生きて来られたのではないかと思います。
ただ、だからといってこれからも同じ道を歩いていきたいと考えているかというとそうでもありません。
どんなふうに生きていきたいかをまとめましたので、説明していきます。
7-1. これまでの仕事の枠にとらわれず、全く新しいことに挑戦したい
四半世紀以上公認会計士という職業を続けてきましたが、そろそろ別のこともしてみたくなりました。
もちろん今の仕事を捨て去って、完全に新しい方向に舵を切るということではありません。
今やっていることに加えて、別のこともやってみたいのです。
それだけ今の仕事に慣れて、他にエネルギーを向ける余裕が出てきたということもありますし、さすがにちょっと飽きてきたというのもあります。
このブログを始めたのも、書くことが好きなので、それを取っ掛かりに新しいことをやってみたかったという理由です。
お金になるかどうかはさておき、とりあえず手をつけて続けてみるというのが目下の目標です。
7-2. 世の中の変化に合わせて、今の業態をもっと柔軟に変化させていきたい
テクノロジーが発達するに従い、世の中もどんどん変化して行きます。
それに合わせて仕事の内容も変化して、私の本業の公認会計士業は、将来その大半の業務をAIに取って替わられるなんてことも、どこかに書かれていたくらいです。
確かに時代々々によって社会のニーズも変わるので、職業に栄枯盛衰があるのは致し方ないことでしょう。
しかし、だからといって公認会計士業がAIに取って変わられ、自分が職を失うのを傍観する気はありません。
今後世の中で何が必要になるのかをしっかり見極め、今の業態をそれに合せて変化させていかなければならないのは、企業もフリーランスも変わりがないということです。
したたかに、かつしなやかに生き残りたいと思っています。
7-3. 自分と家族のためだけでなく、世の中のために仕事をしたい
サラリーマン時代も含め、これまでの人生で何のために仕事をするのかと問われれば、思い浮かぶのは自分と家族のため、ということのみでした。
世の中に受け入れられなければ、仕事は続かないので、結果的に世の中のためにもなっていたのでしょうが、それを意識したことは一度もありません。
ただ、最近どういうわけか、もう少し自分と家族以外のために仕事をしてもよいのではないかと思い始めました。不思議ですが、なぜそう思うのか理由はよくわかりません。
理由はどうあれ、そう思う気持ちに素直に従って、世の中のために良かれと思うことを少しずつ実践できたら嬉しいです。
7-4. もっと楽に仕事をしたい
これまでの仕事は、自分の頭と身体を使ってなんぼという世界でした。
ただ、これだけでは稼ぎの上限は見えていて、それ以上はないなと思いました。
そんなことを考えていた数年前、義父が亡くなり、先に書いたように妻が土地を相続し、賃貸マンションを建てることにしました。
マンションは一度建てて、賃借人が入りさえすれば、何もしなくても毎月賃料収入が入ってきます。
いわゆる不労所得です。
これを見て、ふと、不動産以外にもこの手法使えないかな?と思いました。
もちろん、ある程度の金融資産があれば、金が金を生むのでこんなこと考える必要はありません。
しかし、持たざるものが不労所得を得るには、どうしたらいいか?
で、思いついたのがYouTubeとブログでした。
うまくやれば、初期投資を抑えながら動画や記事に資産価値を持たせることができて、それを使って不労所得を得られるのではないかと。
もちろんそんなに簡単なことではないのはわかっていますが、夢があるじゃないですか!
YouTubeはなかなか大変そうだったので、とりあえず参入障壁が低いブログを始めたという次第です。
8. まとめ
フリーランスになることを検討中の皆様に少しでも参考になればと思い、私の
これまでの歩みと現状、そしてこれからをまとめてみました。
読者の方々の置かれた状況は千差万別でしょうから、私の場合とは重らない部分がいくつもあったかもしれません。
ただ、フリーランスとして生きていくうえでの考え方のエッセンスを汲み取っていただけたら本記事の目的は達成です。
私もまだまだ発展途上のフリーランスです。
きっとこれからも、いくつもフリーランスあるあるに遭遇するに違いありません。
そんな経験の中で、また皆様のお役に立ちそうなことがありましたら、引き続きお伝えしていきたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。